218_やぎ独特な香りがある肉を求めて。
驚きましたーーー!
四十年ぶりに、焼肉屋で食べたジンギスカンの独特な香りがなかった。「ええーー、これがヤギ肉ーー?」
お父さんが育った家では昔ヤギを買っていた。純白の子ヤギはかわいく、あごの両側に、きんたまの玉のような物がぶら下がり、あれが何なのか未だに解らない。ヤギは大きくなるにつれ、独特の香りがあり、触っただけで手に香りが移る。もちろんヤギの乳もその香りがする。
お父さんが子供の頃、雄ヤギと同じぐらいの背丈になった頃、後ろ向きにカーブしたりっぱな角を持った筋肉質の雄は、お父さんを目がけて突進してくるようになった。
両手で角をつかんで突かれないように抵抗するのですが、離せばまた突進してくるので、「やめろやめろ」とべそをかきながら逃げ回るのですが、畑で農作業をしている親たちは、むしろそれを楽しんで、笑いながら見ているだけだった。
いまでもあの怖さは夢にまで出てくるのですが、食用としてそいつが売られて行くときは泣いた。乳を出してくれたメスが老衰で死んだ時は悲しかった。兄と二人で山の香茸が生える場所に埋めにいったが、こんなに重たかったのかと驚きながら、泣きながら土をかぶせた。
どうしてもヤギと言えば、あの香りだ。
お父さんは、その香りが頭のなかにあり、北海道のジンギスカンを楽しみにしていたのだった。
それで、これならどうかと、スーパーでニュージーランドのラム肉を買って焼いてみた。少し香りがある。おおーー、この味、この匂い、「いけるじゃないか、満足満足!」
次の日の朝、尿の糖分検査をしたら、「あららーー、反応がないよ、血糖値上がってないんだ。こんなの初めて」 ということで、ラム肉と血糖値の実験が始まりました。
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