若返りだって? 本当ですか?

200歳まで生きます。

14_カヤ菌は生きていた! 1/4

  お父さんは、カヤの実の菌のすごさに驚かされ続けている。
この菌と共存しているのは、世界中で多分お父さんだけだと思う。


 何年間もカヤの実を食べてきたのだが、カヤの実自体にカヤ菌は住んでいるのだろうか?そうならば、ちょうどカヤの実を食べていないときに、パック野菜ジュースの実験ですっかり体を壊したのも、理由付けができて色々な現象がつながるのだ。


 その実験の様子を紹介します。
1.天然ハチミツをぬるま湯に溶かし、培養液となるものを作る。


2.右のボトルにはハチミツ発酵菌を入れます。
 ハチの巣を煮て、菌が自然に増えて発酵して酢になったものを入れます。右後ろのものがその菌が生きている酢です。


3.真ん中のボトルには、一年間かけて、カヤの実の中にカヤ菌を住まわせたカヤの実を入れます。


3.左のボトルには何もいれません。天然ハチミツは水で薄めただけで、中の菌で発酵が始まるのかを確認するためです。


 これを常温(13℃ぐらい)の環境において、発酵の様子を観察します。温まるのは、朝の陽が当たる3時間ぐらいです。

13_「そんなものこんなもの」 お父さんの願い 4/4


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 パンパンは、それから、みんなにうるさいじいさんだと言われました。 あれが悪いとかこれが悪い、こうしろ、ああしろと、何にでも口を出し、わかってくれるまで毎日来るからです。



 それから、パンパンは何回も死にかけましたが、閻魔大王の天秤計りは、 何回行っても地獄行きの方が下がるため、そのたびにまた生き返りました。



 パンパンは、三百歳まで生きて、ある日死にかけたとき、やっと閻魔大王の天秤計りが、極楽行きの方へ、カタンと傾きました。パンパンは、閻魔大王の前で「やれやれ」とため息をつきました。


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 そのとき、天秤計りの付け根の所から、一匹のヤモリがぽたりと床に落ちました。バランスをくずした天秤計りは、「ガーン」と音を立てて止まりました。



 パンパンが、まばたきをした一瞬の間に、そのヤモリは、やさしそうなおじいさんになりました。



 閻魔大王が、その人に向かって頭を下げていますから、よっぽどえらい人に違いありません。



そのおじいさんは、本当は神様だったのです。


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神様は言いました。



「 パンパンさん、長い間つらい目に合わせてすまなかった。
でも、あなたのようにうるさい人がいないと、お金の力に負けて
生きる人ばかりになってしまうのです。



 今度は私が人間に生まれ変わって、もう一度世の中を 作り直してみようと思います。でも、人間のあかちゃんから始まるので、
何十年もかかるし、うまくできないこともあります。



 あなたには、私の代わりに、人間の生死を支配する役目を やってもらいたいと思います。私がうまく仕事ができるように、
役に立つ人は、もう一度人間の世界に送り返してください。」




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 パンパンは、神様の役目を引き受けたその日に、一度死んだリュウリュウを貧しい家の赤ちゃんにしました。



 その次の日、その家の近くの牛小屋のわらの上で、 赤ちゃんの泣き声が聞こえました。



 もう寝る所もなくなった、結婚していないい貧しい女の人から 女のあかちゃんが生まれたのです。



この子があの神様の生まれ変わりです。



 パンパンは、すぐにおいしい物を食べすぎて死にそうになった役人に、「地獄に行きたくなかったら、やっと生きている人達を助けなさい」 「生き返ったら、すぐに牛小屋に行って、かわいそうな女を助けるのだ」



 そう言って、右足と左手を動かなくする罰を与えてから生き返らせました。


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 二人の子供は、貧しくても親がいなくても、 他の人から大事にされて大きくなり、 同じ学校に通い、仲の良い友達になりました。



 これまで、パンパン爺さんがうるさかったおかげで、 誰でもりっぱな先生から立派な教育を受けることができたのです。



 歴史の教科書に、「そんな物」や「こんな物」を作った人と、
それを「そんな物やこんな物を使ったらだめだ」と誰も言わないで、国をだめにしたという記録がありました。



「こんな間違いはしたらいけないなあ」 二人は、いっしょになって、りっぱに国作りをしようと思いました。


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 でも、二人は大きくなって、政治家になったわけでも、有名な人になったわけでもありません。



 「物が豊かで心が狭い生き方よりも、質素な生活でも豊かな心で生きなさい」と先生に教えられた通りに生きていっただけでした。



 でも、知らないうちに、みんなが、「自分で、何が大事かを判断できて、その通りに実行できる勇気」 を身に付けていたのです。



 神様になったパンパンは、「うまくやったもんだ」と大変喜んで、 ある日、お酒をいっぱい飲みました。



 そして地獄で永遠に苦しんでいる人たちをかわいそうになって、みんなをイワシやニシンにして、北海道の海に放り込みました。


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 でも、たくさん魚を獲ってお金を儲けた漁師達が心を迷わせ、
その魚を売った人がお金を儲けて心を狂わせ、たくさんの人の心を次々に迷わせて行くために、 パンパンは怖くなり、魚になって死んで帰って来た人は、また全部地獄に返してやりました。 



だから、もう二度と海が魚でいっぱいになることはないのです。


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 パンパンは、前の神様と同じように、別の人と、神様を交代してもらいました。 そして、たった今、日本で一番かわいそうな女の人の赤ちゃんとして生まれました。



その子供は、きっと、将来世界のために役立つ、立派な人になることでしょう。



おしまい。

12_「そんなものこんなもの」 お父さんの願い。3/4


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 リュウリュウは、また、財産も家族も信用もなくし、さびしく暮らしました。


 パンパンは、また一番先にリュウリュウに食べ物を持って行き、励まして、「もう子供を相手にする商売はやめろ」 と忠告してあげました。


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 リュウリュウもパンパンも、もう年をとってしまいました。リュウリュウは、つらいことがあったので、気力がなくなっていて、かぜをひいただけで死にそうになりました。


 パンパンも、長い間、風や雪や暑い太陽ですっかり痛めつけられ、すりきれて、かぜをひいて死にそうになりました。


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 リュウリュウとパンパンは同じ日の同じ時に死そうになり、二人一緒に、閻魔大王の前に連れて行かれました。



 リュウリュウは、「そんな物」や「こんな物」を作って国を二回も破滅させたので、地獄に行かされるだろうと思っていました。



 でも閻魔大王はリュウリュウに極楽に行けと言いました。 「私は国をだめにし、みんなに批判され軽蔑された男です。どうして極楽に行くことができましょう?」



 閻魔大王は言いました。
「確かにお前は地獄に行かなければならないかもしれない」 「しかし、そんな物やこんな物を受け入れてしまったおろかな人々にも責任はある」



 「お前は、会社で、たくさんの人を雇って給料をあげて、たくさんの家族を養った」 「だから、お前は良いこともしている」



 閻魔大王は、良いことと悪いことの重さを比べる天秤計りを指差しました。「この天秤は極楽行きの方が下がっている」 「安心して、極楽で次に生まれ変わる時まで楽しく暮らしなさい」




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 パンパンは、これまで質素な生活をして、困った人も助けてきたので、 間違いなく極楽に行けるだろうと思っていました。



 閻魔大王は、良いことと悪いことの重さを比べる天秤計りを指差して、パンパンは極楽には行けないと言いました。



 パンパンはどうして自分が地獄に行かなければならないか不満でした。「私は何も悪いことはしてきません。困った人も助けてきました」
 
 「リュウリュウが困った時も一番先に食べ物を持って行ってあげました」 「子供を相手にした商売はするなとも忠告してあげました」



閻魔大王は言いました。
 「お前はリュウリュウがやっていることが間違っていると知っていた」「でもリュウリュウを説得できなかった。たった二回しか忠告していないではないか」 「説得できなかったことが罪になっているのだ」



 「また、お前はリュウリュウのようにたくさんの人に仕事を与えた訳でもない」 「だから、罪は少ないが、良い行いも少ないため、天秤計りは罪の方が重くなっているのだ」


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これを見ていたリュウリュウは閻魔大王に言いました。



 「どう考えても、パンパンが地獄に行くのはおかしいと思います、もう一度良く調べてみてください」 「パンパンは地獄に行くような悪い男ではありません」 



 「この次に生まれ変わる時は、私がきっと良い行いをして償いますので、パンパンを極楽に行かせてください」



閻魔大王は言いました。
「この天秤ばかりに間違いはない。判決はぜったい変えられないのだ」



 うつむいて下を向いていたパンパンは急に立ち上がり、大声で言いました。「閻魔様、私はこんな所でのんびりしている場合ではありません」 



 「私が死にそうになったため、体が動かない妻はもう三日もご飯を食べていません」 「また戻って来ますから、ちょっと帰らせてください」



 そのとたん、目の前の閻魔大王もリュウリュウも消え、パンパンは生き返りました。

11_「そんなものこんなもの」 お父さんの願い。2/4

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 やがて、「そんな物」で遊んだ子供達が大きくなりました。 でも「そんな物」から離れなくなっていて、新しい物が売り出されれば、 それを買って遊びたいと思いました。


 国には一生懸命に働く人がいなくなり、あっというまに破滅してしまいました。そして、「そんな物」を買ったたくさんの国々も次々に破滅していきました。


 「そんな物」を買ってはいけないと、輸入禁止にした国だけが、強くてりっぱな国になりました。


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 やがてリュウリュウの会社は、 「そんな物」を作って国を滅ぼした悪い会社と言われ、 自分の国の人からも、他の国の人からも批判されました。


 国を破滅させた原因は「そんな物」を買ったからだと、 世界中から訴えられ、会社は倒産してしまいました。



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 リュウリュウは、財産も、家族も、信用も失い、一人で寂しく生活していました。


 パンパンは、そんな友達の所に、一番先に食べ物を持って行ってあげて、 励ましてあげました。そして、「子供を相手にした商売はもうするな」と忠告してあげました。




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 リュウリュウは、これまで「そんな物」を売って、たくさんの子供をだめにしてきました。 だから、これからは「こんな物」を作って、子供達に勉強を教えようと考えました。



パンパンの忠告を全然わかっていませんでした。


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 リュウリュウが考えた「こんな物」を使うと、学校の勉強が良くできるようになります。


 「こんな物」を使わない子供は、学力差がついて授業ができなくなるため、みんなが買わなければならないようになりました。


 「こんな物」はたくさん売れて、お金をドンギャラドンギャラドンギャラギャンと儲けました。


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 先生達は、「こんな物」を使うと、子供がだめになると思いました。 でも、リュウリュウの会社はあまりにも大きく有名になってしまったので、誰も、「こんな物を売るのはやめろ!」と言う人はいませんでした。


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 何年か経って、学校の先生は仕事をするのが、すっかりいやになってしまいました。 みんなが、「こんな物」で勉強していて、先生が教えることはもう解っているからです。


 先生は学校で勉強を教える役目を「こんな物」に取られてしまいました。先生は、ただ給料をもらうために、我慢して学校に行くようになりました。


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「こんな物」を使って勉強した子供達は大人になりました。



 でも、みんな「こんな物」のようなものに頼らないと何もできなくなっていたので、国は2回目の破滅をしました。世界中の「こんな物」を買った国々も、2回目の破滅をしました。



 そして、「こんな物」を買うなと決めていた国は、 先生から立派な教育を受けて、強い国になりました。



 リュウリュウは前と同じように、世界中の人から批判されました。

10_「そんなものこんなもの」お父さんの願い。何があろうと大丈夫。1/4

 不穏な世の中で、心配なことが多くなりますが、こういうときこそ、ひとりひとりがしっかりしていれば大丈夫です。この短いお話はそういう願いを込めて作ったものです。



 これは、お父さんの作品です。
1ページごとに絵をつけたいのですが、絵が苦手なので、文字だけです。


どうぞ、お楽しみください。


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そんな物、こんな物


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 あるお金持ちの家に男の子が生まれました。 商売をしていて、なに不自由することなく大きくなりました。


 ある貧しい農家にも男の子が生まれました。 食べる物がなく、いつもおなかを空かせて大きくなりました。



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 この二人の子供はやがて同じ小学校に入りました。お金持ちの子供はリュウリュウ、貧しい家の子供の名前はパンパンです。


 リュウリュウは、勉強はあまり好きではありません。むずかしい宿題は、お菓子を分けてあげて、頭が良くて、勉強が好きなパンパンにやってもらいました。だから二人は、いつも仲の良い友達でした。


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 リュウリュウは、勉強はもうしたくなかったのですが、 お父さんは世の中の事を良く知ることができるようにと、上の学校に行かせました。


 パンパンは、もっと勉強をして、色々なことを知りたかったのですが、お父さんは、お金がないのと、勉強をしても何の役にもたたないと思い、小学校を終わると、家で農作業の手伝いをさせました。




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それから何十年もたちました。


 リュウリュウは会社を作り、子供が夢中になる、 「そんな物」という商品を作りました。


 世界中に支店を持ち、何千人もの従業員が働いています。「そんな物」はどんどん売れて、お金がドンジャラ儲かります。


 パンパンは、こつこつと働き続け、土地も少しづつ買って増やし、生きていくのに困らないようになりました。 畑で獲れた物を、ほかの貧しい人達にも少しずつ分けてあげました。


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 リュウリュウが作った「そんな物」は、子供が一番ほしがる物の一つ。 クリスマスやお正月のプレゼントにみんなが買っていきます。


 でも子供達は、勉強がいやになったり、つらいことがあると
一人で「そんな物」ばかりを遊ぶようになってしまいました。


 長い間「そんな物」を遊んだ子供は、我慢することが苦手になります。 リュウリュウはそんな子供をたくさん作り出して、 ドンジャラドンジャラドンジャラジャンとお金を儲けました。


 大人は「そんな物」を遊んでほしくないと思っていました。でも、リュウリュウの会社は、あまりにも大きくて有名な会社になってしまったので、誰も、「そんな物を売るのはやめろ!」と言う人がいませんでした。