消えてほしい記憶。正直に生きるのは楽なのですが。
例えば、仕事が終わり、家に帰るために着替えをしていたとします。
「電話が入っています」
と伝えてくれた人がいます。
電話の内容は想像ができます。でも電話に出たくなかったので、「もう帰ったと伝えてもらえませんか?」と頼んだとします。
運命を左右するのはこの先です。
電話の返事が、
「もう帰ってしまいました」或いは、
「もう帰ったと伝えてと言っていました」かで。
もし、答えたのが後のほうだったら、信頼関係はなくなってしまいます。大失態です。
電話を取り次いだのが、まじめで良い人とされるなら、「もう帰ったと伝えてと言っていました」と言ってしまうかもしれません。
多分、真面目とは言われない注意人物なら、「もう帰ってしまいました」と言ってくれそうな気がします。
残念ながら、お父さんは、子供時代も大人の時代も、ウソをつかない生き方をしてきたため、機転が利かなくて、人を傷つけたり、苦しめたりしていたのに、それに気がつかないで生きてきました。
自分が未熟で無知で、自分だけが楽に生きていたという罪悪感に襲われてしまいます。記憶から消えず、苦しんでしまいます。
この苦しみから解放される日があるということを、ありがたいと思います。